地方制度は、州 (エスタード、estado)、市町村(ムニシピオ、minicipio)、区(パロキア、parroquia)の三層だが、自治体とは呼べない区を除くなら二層になる。州は23、首都地区が1、連邦保護領が1ある。首都地区と連邦保護領は州政府にあたるものを持たない。形式上連邦制をとるが、ベネズエラは南米でも中央集権的な制度の国で、州の独立性は弱い。1989年まで、州知事は共和国大統領の任命制であった。
市町村にあたるムニシピオは、日本語で人口に応じて適当に市、町、村などと訳し分けられる。市郡とする人もいる。かつては州と市町村の間に郡(ディストリト、distrito)があったが、1980年代に廃止された。基本的に、かつての郡が新しい市に、かつての市が新しい区に相当する。中にはバルガス州のような一州一市の例もある。市町村の上に立つ特別な自治体として、カラカス大都市地区とアルトアプレ郡がそれぞれの特別法によって設けられている。
区はかつて教会の教区と一致したが、現在では別のもので、区別するために民区(parroquia civil)と呼ばれこともある。小さな市では一市一区のところが多く、区役所は置かれない。選挙で選ばれるのは州知事、州議会議員、市長、市会議員、区議員で、区長は任命制である。
アマソナス州 (Amazonas)
アンソアテギ州 (Anzoátegui)
アプレ州 (Apure)
アラグア州 (Aragua)
バリナス州 (Barinas)
ボリーバル州 (Bolívar)
カラボボ州(Carabobo)
コヘデス州 (Cojedes)
デルタ・アマクロ州 (Delta Amacuro)
ファルコン州 (Falcón)
グアリコ州 (Guarico)
ララ州 (Lara)
メリダ州 (Mérida)
ミランダ州 (Miranda)
モナガス州 (Monagas)
ヌエバ・エスパルタ州 (Nueva Esparta)
ポルトゥゲサ州 (Portuguesa)
スクレ州 (Sucre)
タチラ州 (Táchira)
トルヒーリョ州 (Trujillo)
ヤラクイ州 (Yaracuy)
バルガス州 (Vargas)
スリア州 (Zulia)
連邦保護領(Dependencias Federales)
首都地区 (Distrito Capital) (主な都市 チャカオ市、バルータ市、エル・アティージョ市)
北にカリブ海に面し、コロンビア、ブラジル、ガイアナに接する。中央部のジャングルをコロンビアからオリノコ川が流れている。北東部には南米最大の湖、マラカイボ湖が存在する。コロンビアから続くオリノコ川流域の平原部をリャノと呼び、国土の主要部はコロンビアのオリエンタル山脈を通してアンデス山脈が延びてきており、国内最高峰はメリダ山脈に位置するボリーバル峰である。
国土はマラカイボ湖周辺のマラカイボ低地、西部から北部に広がるベネズエラ高原、オリノコ川流域平原のリャノ(スペイン語で平野を意味する)、そしてグアジャナ高地の四つの主要な部分に分けられ、ベネズエラ高原はさらに中央高地、北東高地、セゴビア高原、メリダ山脈の四つの地域に分かれる。国土北部の海岸沿いをラ・コスタ山脈が東西に連なり、東部にはアラヤ半島、パリア半島が存在し、アラヤ半島沖にマルガリータ島が存在する。国土の80%がオリノコ川の流域であり、平らな大草原が広がっている。この草原地帯のリャノが国土の35%(380,000平方kmで、ほぼ日本の国土と同じ)、グアジャナ高地が国土の45%を占めるものの、人口の圧倒的な部分は北方の海岸線沿いのマラカイボ低地とベネズエラ高原に集中し、ベネズエラの多くの都市や村落は標高800m-1300mの人間が住むのに適した気候の谷間に存在する。
熱帯のため、雨季と乾季の区分がはっきりし、12月から4月が夏(ベラーノ)と呼ばれ、5月から11月が冬(インビエルノ)となり、6月から7月にかけて「サン・フアンの夏」と呼ばれる中だるみの季節が存在し、夏は乾季に、冬は雨季に相当する。カリブ海側は乾燥しており、カラカスの外港ラ・グアイラでは年間降水量が280mmしかない。リャノはサバンナが広がっており、サバンナ気候であるゆえに乾季は完全に乾燥し、雨季は洪水となるため牧畜ぐらいの生産活動しかできず、こうした気候が屈強なリャネーロや、ホローポなどの文化を生み出した。
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現在のベネズエラ政府は、ベネズエラの国土を海域、島嶼部、西北沿岸部、中北沿岸部、東北沿岸部、アンデス地方、リャノ地方、オリノコ川デルタ地方、アマゾン地方、グアジャナ地方という10の地理区分に分けて扱っている。
徴兵制が敷かれており、成人男子は兵役の義務を有している。
ベネスエラには長らくコロンビアのような文民統治の原則は存在せず、軍はもっぱら内戦、クーデター、国内のゲリラ鎮圧のために存在した。
近年ベネズエラ軍はチャベス政権の下で軍拡が進み、近隣諸国に警戒心を抱かせている。辛うじて回避されたが、チャベス政権がコロンビア革命軍を庇護していたことが問題となり、2004年のコロンビアのアルバロ・ウリベ親米政権からの侵攻も一時現実味を帯びたものになった。
陸海空の三軍の他に、1937年に創設された国家警備隊(ボリバリアーナ国家警備隊)が存在する。
陸軍
ベネズエラ陸軍は兵員約34,000人を擁する。制式自動小銃をロシア製AK-103シリーズに転換した。
海軍
ベネズエラ海軍は、近年ロシア製兵器(主に潜水艦)の購入により軍拡が進んでいる。
空軍
ベネズエラ空軍は、近年ロシア製兵器(主に戦闘機)の購入により軍拡が進んでいる。
主要装備はF-16A/B、Su-30など。
国家警備隊
三軍の他に国家警備隊 (ベネズエラ)が存在する。
アンデス共同体、メルコスール、南米共同体の加盟国である。
通貨はボリバル(VEB)。2007年6月の時点で世界で最も価値の低い通貨トップ5の一つであった。[2]しかし2008年1月よりそれまでの1000ボリバルを1ボリバル・フエルテにデノミし、現在の公式為替レートは1米ドル=2.15ボリバルとなったため、現在ではこの不名誉な状況からは脱している。
ゴメス時代にマラカイボ湖で石油が発見されるまでは、ベネスエラはコーヒーとカカオを主としたプランテーション農業の国だったが、1930年代には石油輸出額が第一次産品を抜き、1950年代にアメリカ・ソ連に次ぐ世界第三位の産油国となった。その後1960年代、1970年代を通して順調な成長が続いたが、一人当たりGDP成長は1983年を境に急落し続け、2002年には1960年の水準にまで落ち込んだ。
現在のベネズエラの経済は完全に石油に依存しており、輸出収入の8割ほどが石油である(2003年現在)が、石油部門が雇用するのは就労人口の0.5%にすぎない。OPECの原加盟国であり1960年の設立に際して重要な役割を果たした。
中南米でトップクラスの高所得水準を誇る背景には、豊かな鉱山資源があげられる。しかしながら、農牧業の生産性は低く、食料品の半分以上を輸入に頼る。
鉱業
ベネズエラは鉱物資源に恵まれた国である。有機鉱物資源では、2001年時点で世界第8位(世界シェア4.8%)に位置する原油(1.6億トン)をはじめ、世界シェア1.8%の天然ガス(1624千兆ジュール)が際立つ。ただし、石炭は759万トンと少ない。
金属鉱物資源では、ボーキサイト(500万トン、第7位、1.9%)、世界シェア1.9%の鉄鉱(1150万トン)、同1.4%のニッケル鉱(1.8万トン)のほか、金、ダイヤモンド、リンを産する。
このため、輸出に占める鉱物、もしくは鉱物を原料とする工業製品の割合は金額ベースで約90%に達する。品目別では原油 (58.3%)、石油製品 (23.6%)、鉄鋼 (3.1%)、アルミニウム (2.0%)、化学薬品 (1.5%) である。
観光
南東部のオリノコ高地にはテーブルマウンテンやサルト・アンヘル (英:エンジェルフォール)で有名なギアナ高地がギアナ三国まで続いている。カリブ海には、ロス・ロケス諸島やマルガリータ島などのビーチリゾートがある。
アンデス山脈の観光地としては、メリダがある。ここには世界最長のロープウェイ(全長12.6km)があり、そこの最高地点ピコ・エスペホからベネズエラ最高峰のピコ・ボリーバル(5007m)へ行くことができる。
経済基礎指標と対外関係
この節に雑多な内容が羅列されているので、本文として組み入れるか整理・除去する必要があります。このタグは2008年3月に貼付されました。
1999年度
GDP (PPP) 1,828億ドル (OER) NA 実質成長率 -7.2% 国民一人当たり(PPP) 8,000ドル
インフレ率 20% 失業率 18% 対外債務 340億ドル 外貨保有額 NA
政府収入 NA 政府支出 NA 政府債務のGDP比 NA
輸出額 209億ドル 輸出先 US 57%
輸入額 118億ドル 輸入先 US 53%
2000年度
GDP (PPP) 1,462億ドル (OER) NA 実質成長率 3.2% 国民一人当たり(PPP) 6,200ドル
インフレ率 13% 失業率 14% 対外債務 382億ドル 外貨保有額 NA
政府収入 215億ドル 政府支出 270億ドル 政府債務のGDP比 NA
輸出額 328億ドル 輸出先 アメリカ 60.0% ブラジル 5.5% コロンビア 3.5%
輸入額 147億ドル 輸入元 アメリカ 35.8% コロンビア 6.8% ブラジル 4.5%
2001年度
GDP (PPP) 1,462億ドル (OER) NA 実質成長率 2.7% 国民一人当たり(PPP) 6,100ドル
インフレ率 12.3% 失業率 14.1% 対外債務 NA 外貨保有額 NA
政府収入 NA 政府支出 NA 政府債務のGDP比 NA
輸出額 286億ドル 輸出先 NA
輸入額 188億ドル 輸入先 NA
2002年度
GDP (PPP) 1,328億ドル (OER) NA 実質成長率 -8.9% 国民一人当たり(PPP) 5,500ドル
インフレ率 31.2% 失業率 17% 対外債務 NA 外貨保有額 NA
政府収入 201億ドル 政府支出 233億ドル 政府債務のGDP比 NA
輸出額 NA 輸出先 アメリカ 45.1% オランダ領アンチル 12.8% ドミニカ共和国 2.8%
輸入額 NA 輸入元 アメリカ 32.1% コロンビア 8.0% ブラジル 6.2%
2003年度
GDP (PPP) 1,179億ドル (OER) NA 実質成長率 -9.2% 国民一人当たり(PPP) 4,800ドル
インフレ率 31.1% 失業率 18% 対外債務 208億ドル 外貨保有額 NA
政府収入 NA 政府支出 NA 政府債務のGDP比 38.8%
輸出額 258億ドル 輸出先 アメリカ 52.7% オランダ領アンチル4.9% ドミニカ共和国 2.9%
輸入額 107億ドル 輸入元 アメリカ 29.2% コロンビア 7.1% ブラジル 6.2%
2004年度
GDP (PPP) 1,452億ドル (OER) NA 実質成長率 16.8% 国民一人当たり(PPP) 5,800ドル
インフレ率 22.4% 失業率 17.1% 対外債務 332億ドル 外貨保有額 257億ドル
政府収入 269億ドル 政府支出 307億ドル 政府債務のGDP比 43.1%
輸出額 358億ドル 輸出先 アメリカ 55.5% オランダ領アンチル4.7% ドミニカ共和国 2.8%
輸入額 149億ドル 輸入元 アメリカ 28.8% コロンビア 9.9% ブラジル 7.0%
2005年度
GDP (PPP) 1,537億ドル (OER) 1,061億ドル 実質成長率 9.3% 国民一人当たり(PPP) 6,100ドル
インフレ率 15.7% 失業率 12.3% 対外債務 397億ドル 外貨保有額 307億ドル
政府収入 396億ドル 政府支出 412億ドル 政府債務のGDP比 32.0%
輸出額 527億ドル 輸出先 アメリカ 50.9% オランダ領アンチル7.2% カナダ 2.4%
輸入額 246億ドル 輸入元 アメリカ 31.6% コロンビア 11.0% ブラジル 9.1%
2006年度
GDP (PPP) 1,764億ドル (OER) 1,479億ドル 実質成長率 8.8% 国民一人当たり(PPP) 6,900ドル
インフレ率 15.8% 失業率 8.9% 対外債務 356億ドル 外貨保有額 359億ドル
政府収入 522億ドル 政府支出 529億ドル 政府債務のGDP比 28.4%
輸出額 692億ドル 輸出先 NA
輸入額 288億ドル 輸入元 NA
ベネズエラ国営石油公社PDVSAはアメリカ国内に現地法人を設立し、アメリカの国民・法人に石油を販売している。
ベネズエラ政府の公式サイトの国家統計機関の貿易・投資の統計は石油部門を除外して貿易・投資の全体額と相手国別の構成比率が把握できないので、データはCIA World Fact Book の各年度版から引用した。